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2011  06:18:21

健全な意図と平常心

原書:Buddha's Brain: The Practical Neuroscience of Happiness, Love, and Wisdom
訳書:ブッダの脳 心と脳を変え人生を変える実践的瞑想の科学

ちょっと英語の難易度の高い本ですけど、続きです。

意図に関係している脳の部分は、前帯状皮質と扁桃体だそうです。前帯状皮質の方は、意識的に思考や行動を制御するハブで、論理的に動機づけをするところ。ここの部分は3歳から6歳までは、まだ発達していないので、幼児に抑制力がないのはこのため。

一方の扁桃体の方は、反応的な動機センターで、快不快、自分にとって重要かそうでないかといったことを、意識の外で即座に振り分けます。

頭とハートの関係のような前帯状皮質ネットワークと扁桃体ネットワークは、相互にサポートしている場合もあれば、バランスを欠いて内部葛藤に苦しむ場合もある。もちろん、この両ネットワークが足並みをそれえていれば、意図が強力になる。

何かを願っても、ぜひこうなってほしいと結果に強い思いを寄せなければ、苦悩にはならない。そういった意味で、健全な意図を持つことが重要。そして、落ち着いた静かな決断ともいうべき内なる強さを強化すること。それには、過去に自分の強さを感じたときのことを思い出し、体でそれを感じ味わって、神経系回路を強化する。

平常心は、反応して加熱する脳回路のブレーカーのようなもので、起こったことに振り回されない心の状態のことです。出来事に注意を払うが、それで心をかき乱されない。こうして、経験に対する感情と自分のあいだに緩衝地帯を設けることで、他への思いやりや優しさ、他の幸福を喜べる心の広さができる。

こうした中立的な精神状態を保つのは、やはり意識的な努力が必要なようです。

つまり、物事に対する好み(仏教では執着というものかしら)を意識して放つようする。そうすると、快不快の感情に反応して起こる願望ではなくて、自分の価値や徳によって導かれるようになるでしょう、ということです。

やさしいことから始めて努力していくと、幸福が条件に左右されなくなる。困難な状態のときにも、心の平和が保持できる。その例として、アメリカンフットボールのジョン・モンタナ選手の状況緊迫したときの冷静さや、インドの聖者、ラマナ・マハリシが晩年、ガンに侵されながらも、最後まで穏やかで愛深い態度を失わなかったことが記されています。

平常心か、う~ん。一般に西洋人には、東洋人が平常心にすぐれている、という印象があるのでは、と思っているのですが。そうなりたい、という願望も。ほら、2作目が最近出た映画の「カンフーパンダ」なんて、アニメで愉快なんだけど、禅のような深いメッセージがあったりして。2003年に上映された「ラストサムライ」も評判よかったし。もちろん、今回の東日本大震災の被災地の方たちの冷静で威厳のある姿勢にも、そういったことを感じたのではと思いました。
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 Buddha's Brain

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