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2017  08:35:13

盲目の人が見る世界ーAnd there was lightから

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今回は、Jacques Lusseyranという人の自叙伝をご紹介します。著者はフランス人なので、これはフランス語から英語の訳書です。



購入したのはもうずいぶん前で、そのときは、著者の内面の描写が多かったためか、内容をよく理解できなかったようで、それほど印象に残らなかったのすが、読み返してみると、すごいことが書いてあるなと感心しています。

副題が"Blind Hero of the French Resistance"なんですが、著者は幼い頃に事故で視力を失ってしまいます。第二次世界大戦のとき、16歳だった彼はドイツ占領下のパリで、レジスタンス活動をし、その後、ゲシュタポに捉えられて2年ほど監禁されました。

事故が起こる前


盲目になったのは、8歳の頃です。人生のほとんどを目に見える外界ではなく、自分の内から捉えた世界に住んでいたので、ある意味、本当の世界が見えたんだなと思いました。きょうは、触りの部分を見てみますね。幼い頃、しかも内面のことを、よくここまで覚えていると感心しました。

著者は幼い頃、光に魅了されていました。光は、水の流れと違って、もっと速く、至る所にあふれていました。あらゆる所から光が来るのが見えたのだそうです。夜になって暗くなっても光はありました。ただ、構造とリズムが違うだけ。

事故の前も、視力はあまりよくなかったらしいのですが。

著者は言います。子供たちは、語ることができる以上のことを知っていると。大人は、せいぜい語ることのほんの一部しか知らないと。

The reason is simply that children know everything with their whole beings, while we know it only with our heads.
その理由は、子供たちは自分の全体ですべてを知るけれども、大人のわたしたちは頭だけで知ろうとするからです。

7歳のとき、何かが起こるという運命の予感がありました。祖母のところを発ってパリに戻る日、著者は庭で一人で涙ぐんでいました。庭を見るのはこれが最後だったからです。どうして知ったのか分からなかったけれども、小路に差し込む日の光も、2本のセイヨウツゲの木も、ぶどう棚も、列に並んだトマトやきゅうり、豆も、すべて見慣れたものを見納めしていました。

8歳のとき、学校で事故があって失明しました。

失明したのが8歳でよかったと。この年では、まだ心も体も固まっていなくて、いくらでも適応力があるからです。また、大人は忘れてしまっているけれども、子供は、状況に愚痴をこぼさず、そのまま受け入れる能力を持っています。大人が可哀想だとか変な知恵を植え付けなければですが。

For an eight-year-old, what "is" is always best.
8歳にとっては、あるがままがいつも最善なことです。

だから、著者は失明しても不幸だとは感じなかったのです。勇気について、大人は大げさに扱いますが、子供にとってはまったく自然なことで、一瞬一瞬をそれで生きています。子供は将来のことを思い煩うことがないので、ほとんどの恐れから守られています。子供は、不当だと感じることはありますが、それは、人に対してだけです。


盲目とは見えないことだと言われるけど、そうではないと。

最初のうちは、前の習慣で、見ようとする方向に向くのですが、あるのは、苦悩と欠乏、大人が絶望と呼んでいるものに満たされた空白のようなものです。ところが、ある日、間違った方向を見ていたのに気がつきます。言ってみれば、度の合わない眼鏡をかけて見ようとする間違いを犯していたのです。あまりに外れたところ、そして表面ばかりを見ようとしていたと。

ところが、もっと近くを、物体ではなくて自分により近い世界、自分の中の世界から見るようにしたのです。外の世界の視覚の動きにしがみつかないで。すると、即座に、物が引き寄せられて形を成し、まったく知らない場所、自分の外にあるけれども内にあるように、そこから輝く光を感じました。場所については何も知らなかったけれども、光は確かにそこにありました。

説明できない安堵感、そして幸福感に満たされました。光と喜びを同時に見出したのです。そのとき以来、光と喜びは筆者の経験では決して分離することはありませんでした。これは、筆者にとって魔法ではなく、目が見える人が自分の見たものを否定できないのと同じくらい、疑いようのない現実でした。

光が強くなり、広がり、物質の上で止まって形を与え、そして離れていくのを感じたと言います。肉眼で見ない方が光が安定して見えるようです。

I saws the whole world in light, existing through it and because of it.
世界全体が光の中にあり、光を通して存在し、光のおかげで存在しているのを見ました。

色もちゃんと見えたようです。光は物や人に色を投げかけると。両親を初め、道で出会う人、それぞれの特徴を表す色を見たそうです。失明する前には見えなかったけれども。




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