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2016  01:28:39

マインドの限界値と変化のプロセス

thinking



この本の著者、Bill Harrisという人は映画、ザ・シークレットに出演していますが、ホロシンク(Holosync)技術を使った瞑想プログラムを提供するCenterpointeの創始者です。



実はわたし、このホロシンクのCDを持っています。いろいろなことがあって一時鬱状態になっていたことがあります。鬱のときって、思考がネガティブループになってエネルギーがそれに消費され、何をするのも嫌なんですよね。

瞑想で心を落ち着かせようと思っても、いろいろな雑念が沸いてきて、かえって疲れてしまう。そんなときにホロシンクのことを知り、試してみたのです。しばらくヘッドフォンで聞いていると、気分が落ち着いてくるのが分かりました。自分で意識を呼吸のみに集中させるという努力をしないでもいいので楽ちんです。

ここ2週間ほど、認知症で他州の介護施設にいる父のことでストレス状態が続いていました。そのとき、このCDを思い出して瞑想すると気持ちが落ち着いて救われました。というわけで、本書を読み返しています。

マインドの限界値に達したときにする無意識の処理


その中で、意識の変換というか、発達のステップが解説されていて、なるほどと思ったのです。人によって、ストレスに対する許容量が違いますよね。ちょっとしたことでも動揺する人もいれば、何があっても落ち着いていられる人もいます。それは、その人のマインドの限界値(threshold)に個人差があるからです。

著者によれば、この限界値を上げていくプロセスが成長というわけです。

何か不快な経験や大きなストレスでマインドの限界値に達すると、圧倒するようなエネルギーを感じ、何とかしようとします。それには大きく3つの方法があります。どの方法も、ほぼ無意識のうちにやってしまうので、一体、自分がどれを使っているかを認識できればかなり有益です。

第1の方法は"dissipating energy"で、エネルギーの発散です。激しい運動や性的活動、あるいはおしゃべりに没頭するといったことです。もっと極端になると、泣き出したり、強迫行為に走ったり、怒りを爆発させたりといった形を取ります。いずれにしても、自分のシステム(マインド)が処理できないエネルギーを外に追い出そうとするやり方で、フラストレーションを外に向けます。

この方法の問題は、一時的にエネルギーの圧力を和らげ解放を感じますが、エントロピーが十分なレベルに達せず、システムが次のレベルに上がりません。同じ限界値に止まったままです。

第2の方法は"blocking energy"で、エネルギーの遮断です。過剰なエネルギーが、オーバーロードされたシステムに入ってくるのをブロックしようとします。引きこもって、どんなインプットも避けようとするのがその例です。ひどくなると、鬱状態になったりします。他には、食欲減退や病気といった形を取ることもあります。フラストレーショは内に向けられます。

この方法は、システムがリセットして過剰なエネルギーを消散させる機会を作りますが、結局のところ、これも限界値を上げることができないので、同じようなストレスが起こると、同じように動揺し苦痛を感じてしまいます。

第3の方法は"distraction"で、憂さ晴らしです。問題から注意をそらせてくれるものに没頭します。ドラッグ、アルコール、食べ物、性的活動、テレビなどに溺れるといった行為です。ひどくなると病的なまでにのめり込んでしまいます。

3つの中では、一番、効果が薄い方法だそうです。古いシステムがリセットする機会もないからです。

一般に、どれか一つの方法だけで処理するというのではなく、まず怒り、さらにストレスが高まると引きこもるという人もいれば、その逆の人もいるそうです。そして第3の方法は、バックグラウンドでというケースが多いようです。

とここまでは、多数の人が無意識のうちに行う処理法ですが、いずれも、その場しのぎでマインドの限界値が上がらないので、成長がありません。何でも今までと違う結果を得ようと思えば、意識的にやるしかないのですね。マインドの限界値を上げるのも然りです。

変化のプロセス


トランスパーソナル心理学者、Dr. Beverlee Marks Taubが系統化した「変化のプロセス」が引用されていました。以下がそのモデルの内容ですが、6段階のステップになっています。

第1段階は"Awarenes"で、認識です。"Map of Reality"という言葉を使っていますが、人はそれぞれ自分なりの「現実の地図」を持っています。信念と置き換えてもいいと思います。この段階は、自分の「現実の地図」に不具合があることを認識するのです。

何かの出来事で、それまで無意識だった部分が意識にのぼります。不快感や動揺、当惑といった症状を経験をします。この不快な経験は、安全を保とうとする古いやり方、そしてどこかの部分でそれを手放すのが恐いというところから来ているのだそうです。これまでの無意識なパターンを変え、別のやり方をしてみようという心の準備ができるのがこの段階です。

第2段階は"Identification"で、(問題の)識別です。体が感じる感覚、フィーリング、思考、感情が強烈になって無視することができなくなります。この時点で、怒りを感じているとか、抵抗しているいったように、自分に何が起こっているか特定することができます。

大切なことは、それを否定せず、「この不快な感覚は、変化のプロセスの一部なのだ」と言えれば、健全な対応ができます。自分の外部で起こっていることに反応しているのではなくて、内に起こっていることに反応しているのだと。こう考えることができれば、次のステップに進むことができます。

第3段階は"Focusing"で、集中です。フィーリングや思考、感情のエネルギーが強まり、まともに感じるときです。ここは、プロセスの正念場のときです。

「これは自分の怒りだ。何か外の力によって被害を受けているのではない。自分の中にある特定なメンタルプログラムのために、こうした反応をしているのだ」と、他に転嫁せず、完全に所有し、自分の責任とみなします。そうすれば、起こっていることに抵抗せず、何があってもOKと放つことができます。抵抗の代わりに、興味を持って観察できるのです。

この段階は、先の2つの段階と違って、憂さ晴らしといった無意識の処理に走らないように、意識的に意図し、集中しなければなりません。

第4段階は"Expansion"で、拡張です。自分の行為や反応の基盤である核となる信念(core belief)を認識するようになります。それには、自分の人生で何が起こっているかにだけを興味を持って観察するようにします。また、絶望したときに自分が思わず吐く言葉にも注意します。いつも不幸な関係に陥るのなら、「誰も自分を愛してくれない」というような信念があるのかもしれません。また、打ちひしがれているとき「どうせ自分なんか何をやってもできない」という言葉を吐くかもしれません。

自分のマインドが作り出す経験は、信念という無意識のプログラムによることを認めて、責任を持ちます。出来事は誘因にはなっても、自分の経験の原因ではありません。経験に責任を持てば、被害者になり得ません。こうして、逃れようとせず真摯に観察し、自分のプログラム(核なる信念)を見るようにします。これを続けていると、それまで無意識だったことが意識にのぼるので、選択の余地ができるのですね。

第5段階は"Resolution"で、決意です。自分の核なる信念の不具合に気づいたところで、別のもっとよい信念に置き換える決意をするのです。

第6段階は"Reintegration and Reprogramming"で、再統合と再プログラミングです。新しい見方(信念)を自分の「現実の地図」に組み込みます。こうして、以前の苦痛の源が強さになり、もっと意図的でレベルの上がった行為に置き換えられます。

ここまで意識しなくても、いろいろな経験を通して普通はある程度成長すると思います。ただ、人それぞれに弱点があって、その部分だけはなかなか変わらないということありますよね。その場合、この変化のステップを意図的にするのはとても有効だと思うのです。また、幼い頃のトラウマで、もとのマインドの限界値が低い設定になっている場合があるそうで、それは次回にしますね。




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