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2014  08:33:05

真の幸福の要因とは|慈しみと憐れみは賢い利己主義

The Dalai Lama's Catの続きです。

ある日、ダライ・ラマのところに、アメリカで有名なモチベーションニストが訪ねてきました。彼は、さまざまなセミナーで、人々が富を得、成功を収めるのを助けてきました。外から見ると、彼は富も名声も手に入れ、きれいな奥さんもいて、満ち足りた生活を送っているはずなのですが… 空虚感に悩まされていたのです。

こうした心が満たされないという状況は、有効な機会です。見方を変えればですが。その話は後の方に出てきます。

真の幸福の要因


こうして、訪問者とダライ・ラマの間で、何が幸福の要因かという話になりました。

富は幸福の要因ではありません。必ずしもお金持ちが幸福でないのを見ると分かりますよね。ダライ・ラマはこんな風に言っています。

Wealth is a form of power, an energy. It can be most beneficail when used for good purposes. But, as you see, it is not a true cause of happiness.

富はエネルギーで力があるから、よい目的に使えばとても役に立つということですね。でも、幸福をもたらす本当の要因ではありません。

次に、ちょっと驚きだったのが、自分の才能を発揮させることも要因そのものではないようです。

We all have certain predispositions. Some particular strengths. Cultivating these abilities can be very helpful. But--same with money--what matters is not the abilities themselves but how we use them.

誰にでも、何らかの素質や特別な強みが備わっています。こうした能力を発揮させるのは非常に有効だけど、これまたお金と同じで、それをどう使うかということが大切で、能力そのものは関係ないと言っているのですね。

ロマンスや愛情関係も幸福の要因にはなりません。

Change. Impermanence. It is the nature of all things, especially relationships. They are certainly not a true cause of happiness.

変化し永続しないもの。諸行無情っていうヤツですね。特に人間関係はそのようです。だから、幸福の本当の要因にはならないと。

"true cause"、「本当の要因」とはどういうことかという質問に対して、水に熱を与えれば蒸気になるように、いつでも確実に引き起こす原因です。この場合、誰が熱を与えようと、何度熱を与えようと、結果は変わりません。

幸福の本当の要因は2つあります。

(1)他の人の幸せを望むこと、(2)他の人が苦しんでいるのを助けたいと願うことです。英語では"love"と"compassion"ですが、Wikipediaで見てみると、仏教用語で「慈しみ」と「憐れみ」のことのようです。

だから、一つのパラドックスで、他の人の幸福を願い、苦しみを取り除いてやりたいと思うと、自分が幸福になり、苦しみから救われるということになります。これをダライ・ラマは"Wisely selfish"と言っていました。賢い利己主義、なるほどねぇ。

これは、科学的に証明されているそうですよ。MRIスキャンで瞑想者の脳を見ると、他人の幸福を瞑想しているとき、前頭前野皮質が活発になるそうです。

問題をどう見るかは


ダライ・ラマは、こんなたとえ話をしました。

ある男が家に帰ってみると、羊の大きな糞の山が庭の前に捨てられていました。男は、糞を注文しなかったし、そんなものを望んでもいませんでした。でも、糞の山がそこにあるのは事実です。男には、それをどうするかという選択しかできません。

ポケットに入れて、一日中、みんなに愚痴をこぼして歩き回ることもできます。でも、そうるすと、やがて人々は彼を避けて寄りつかなくなるでしょう。その糞を自分のところの庭の肥やしに使えば、もっと役に立ちます。

これについて、ダライ・ラマはこんな風に説明してくれました。

We all face this same choice when dealing with problems. We don't ask for them. We don't want them. But the way we deal with them is what's most important. If we are wise, the greatest problems can lead to the greatest insights.

これはすごく現実的な解決法で、本書の好きな部分です。

確かに、頼みもしないのに、問題はやってきます。そのとき、その問題にどう向き合うかを賢く選択すれば、問題を自分の肥やしにして、大きな洞察を得ることができるんですね。

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