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2014  07:21:39

幸福は外的環境に左右されないーダライ・ラマの猫から



こちらの書、残念なことに訳書がまだないようです。感想を一言で言うと、"delightful"ですね。楽しいとか爽やかみたいなニュアンスです。

ダライ・ラマに救われたヒマラヤンの子猫が、ダライ・ラマの元で生活するうちに、幸せやマインドのことなどを学んでいきます。ダライ・ラマのところには、有名人も含めたさまざまな人が訪問します。また、このHHC(His Holiness's Cat)の報告から、ダライ・ラマの日常生活や周辺の様子も覗き見できて楽しいです。

それぞれのエピソードで、HHCは大切な事を一つ一つ学びます。猫ならではの悩みや行動パターンもあって愉快ですよ。ストーリも、おもしろかったです。ユーモアあり、ホロリとさせらるとろこあり、なるほどと感心させられるところあり、とてもハートウォーミングな内容です。

本書にあったダライ・ラマの言葉を少しご紹介しますね。

All scentient beings


We must recognize that we (all sentient beings) share the same two wishes: the wish to enjoy happiness and the wish to avoid suffering.

"all scentient beings" は「生きとし生けるもの」です。虫けらから人間まで、生き物の願いはみんな同じです。幸せを経験することと、苦痛を避けること。人間には、もちろん他の生き物よりも優れた潜在能力が備わっていますが、基本的なところは同じだということを言っていました。そして…

Most of all, all of us just want to be loved.

これらの言葉を耳にしておきながら、ある日、HHCはたまたま開いていたドアから外へ出たとき、一匹のネズミを捕らえて持ち帰ります。そのことを聞いたダライ・ラマは、本を閉じてHHCのいるところに来て言います。

Sometimes our instinct, our negative conditioning, can be overpowering. Later we regret very much what we have done. But that is no reason to give up on yourself. Instead, learn from your mistake and move on. Like that.

間違いに気づいたら、自分は仕方がない奴だとあきらめず、過ちから学んでまた前進するだけです。

幸福感について


刑務所を訪問して奉仕している尼僧がダライ・ラマにした話も心に残ります。

修道院では、テレビもコンピューターもなく、運動やレクリエーションもなく、自分のためのお小遣い稼ぎも禁じられています。それを聞いた囚人の一人が同情して、そこでの生活が耐えられなくなったら、いつでも自分たちと刑務所で生活したらよいと言ったというのです。

ダライ・ラマの言葉の一部です。

Nobody wants to go to the jail, even though the condisions are easier than in a monastery. This proves that it is not so much the circumstances of our lives that make us happy or unhappy but the way we see them.

刑務所は修道院よりも環境の面では恵まれているけど、誰も行きたくありません。生活環境がどうだから幸せだというのではなく、自分の環境をどう捉るかによって幸不幸が決まるということですね。

それに答えて尼層が言ったことも振るっています。

We encourage our students to turn their jails into monasteries. To stop thinking about their time inside as a waste of their life and instead to see it as an amazing opportunity for personal growth.

刑務所で過ごすのは人生の無駄だと思う代わりに、個人的成長のよい機会だと思って、刑務所を修道院に変えることができると囚人たちを励ましています。

これは、なにも刑務所に限ったことではないですね。どんな環境でも、自分は運が悪いと思って気持ちを腐らせるのと、成長する機会を与えてもらった、ここから何か得ることはないかと思うのとでは大きな違いが生まれます。そして、その環境を離れる時期だと思えば離れるのもいいのじゃないかと思います。

ところでHHCは、回りに毛皮とヒゲの同類がいないので孤独感に苛まれていました。それに、自分にはパートナーがいないから幸せでないと思っていたんです。でも、上の1件や、その他のエピソードから悟ります。自分が気を滅入らせていたのは、環境ではなくて、環境についての思い込みだったということを。

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もう少し、本書の続き見ていきたいと思います。

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