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2014  08:33:46

信頼と愛情を教えてくれる子猫の話|Chicken Soup”不屈のこころ”から



Chicken Soup for the Unsinkable Soul: 101 Stories

おなじみChicken Soupシリーズですが、訳書は「こころのチキンスープ」ですよね。でも、この"Unsinkable Soul"は訳書が見当たりませんでした。"unsinkable"だから、不屈の精神になるかなと思います。実話を集めた本で、本書には全部で101の話が掲載されています。

数年前に古本屋で手に取ったのですが、その中で"The Ugliest Cat in the World"という実話が衝撃的で、猫好きのわたしは、読み終わったあと嗚咽してしまいました。多分、猫好きでなくても涙なしには読み通せないと思います。

どうして"ugly(醜い)"かというと、とんでもない背景があるのです。

The first time I ever saw Smoky, she was on fire!

飼い主のペニーが初めてスモーキーに会ったとき、なんと燃えていたんです。

アリゾナ州の砂漠地帯に住んでいるペニーと3人の子供たちがゴミ捨て場に来たときのこと。一週間に一度来るこのゴミ捨て場は、ゴミを焼却するところみたいです。まだ煙がくすぶっているゴミの中から、何とも悲しそうな猫の鳴き声が聞こえてきました。

すると突然、ワイヤーで結ばれてふたをされたボール紙の箱がパッと燃え上がり爆発しました。耳をさくような長いニャオーという泣き声がして、箱の中に閉じ込められていた動物が炎上するロケットのように飛び出し、灰の山に落ちました。

二人の幼い娘が「ママ、何とかしてあげて」と叫び、14歳のスコットが「もう生きてないよ」と言いました。でも、灰の山が動いて、何か見分けがつかないくらい黒焦げになった小さな子猫が、何とか灰の山から出てきて、苦しそうにこちらにはってきます。

「僕が救いだす」と言って、スコットが灰の山に入り、その子猫をバンダナで包みました。

後にスモーキーと名づけられるこの子猫は、毛があったところは水脹れ、歯茎は残ったけど、両耳は焼けてなくなり、尻尾は焼けて骨だけです。獲物をとらえる鉤爪も、肉球も焼けてありません。猫だと見分けがつくものは何も残っていない状態でした。ただ、救いを求めるコバルトブルーの大きな二つの目だけを残して。

ネバネバしたアロエの葉で子猫を包帯のようにしてくるみ、イースターバスケットに寝かせました。舌は焼けただれ、口の中は水脹れになっているので、ミルクと水をスポイトを使って飲ませます。火傷が癒えたあと、尻尾の部分は落ちてしまいました。毛は生えてきません。

ペニーの夫ビルはパイプ喫煙者なんですが、彼がマッチをすると、スモーキーがパニクり、コーヒーカップやランプを倒して別の部屋に逃避します。だから、ビルは少々、疎ましく思っていたんですね。

"Can't I have any peace around here?"と言って。

そのうち、スモーキーはビルの喫煙に慣れてきました。ただそれでも、ソファーに寝そべって、ビルがパイプを吹かすのをジッと睨みつけます。ある日、ビルは苦笑いしながら言いました。

"Damm cat makes me feel guilty."

不思議なことに、少しずつゆっくりと、ビルがスモーキーの一番のお気に入りになっていきました。そうすると、ビルも家の中ではほとんど喫煙しなくなっていました。ある日、冷たいタイルの上で空気孔から吹く冷たい風に当たりながら寝るのが好きなスモーキーがビルの膝の上で丸くなっているのペニーは見て驚きます。

2年目から、スモーキーに白くて柔らかい毛が生え始め、醜い子猫からうっすらした煙のパフに転身しました。ビルは、牧場に行くのにスモーキーを連れて行くようになります。牛たちを見にいくのにトラックを離れるときは、この小さな相棒のために、トラックのエアコンをつけたままにしておきます。

行方不明になった子牛を捜しにビルと出かけたのは、スモーキーが3歳のときでした。何時間も捜し回るうち、トラックを降りて見に行くとき、トラックのドアを開けたままししていました。

牧草は乾燥してパリパリ状態でした。嵐が来る気配があるのに、子牛はまだ見当たらない。すっかり疲れていたビルは、何も考えないでポケットからライターを取り出し、火をつけます。火花が地面に落ちて、またたく間に草が燃え広がります。

慌てふためいたビルは、子猫のことは忘れてしまいました。何とか火が広がるのを押さえ、子牛を見つけ家に戻ったときになって思い出します。でも、スモーキーは見当たりません。家から2マイルも離れたところにいるスモーキーが、到底、一人で家に戻って来れるとは思われません。悪いことに、雨が激しく降り出して、その日はスモーキーを捜しに行くことができませんでした。

翌日、家族をあげて探し回りましたが、スモーキーは見つかりません。外には危険な動物がいて、スモーキーは狙われたら戦う術がありません。2週間たってもスモーキーは戻ってきませんでした。そして、50年来なかった大きな豪雨に見舞われます。

翌朝、洪水が何マイルも続き、野性の動物や家畜が、少し小高いところに散り散りになっていました。うさぎやタヌキ、リスなどが恐れて水が引くのを待っています。ビルとスコットは膝まで水につかりながら、泣き叫ぶ子牛たちを一匹ずつ抱えて、安全なところに移します。

そのときです。小さな動物が横たわっているのを見つけたのは。ビルが近寄っていくと、怖がって後ずさりしたようです。ビルが叫びました。"I don't believe it. It's Smoky!".

哀れな小さな猫が、ビルの差し出す手の中にゆっくり入っていくのを見て、ペニーは涙を押さえることができませんでした。ビルは、震える小さな体を胸に抱いて、優しくスモーキーの顔から泥を拭ってやります。その間ずっと、スモーキーのブルーの目が、理解ある眼差しで自分が愛するようになったビルの目を見つめ続けています。

He was forgiven.

スモーキーは再び家に戻ってきました。元気を取り戻したように見えましたが、決して頑強でなかったスモーキーは、4歳になる前のある朝、ビルの椅子の上でぐったりしているのを見つけました。スモーキーの心臓は止まっていました。

スモーキーは小さくて外見は醜いかもしれないけど、不屈の精神の持ち主で、とても大きなハートを持っています。スモーキーにとっては、どうして自分が置き去りにされたのか分からないでしょうし、そのためにさぞ大変な思いをしたのでしょうが、それでも、ビルに対する信頼と愛情は変わらなかったんですね。

人間のわたしたちは、ほんのささいなことで、相手への信頼を失い、愛情ももろく崩れ去ってしまうことがあります。スモーキーの話は何度読んでも、涙してしまいます。
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4 Comments

ぴーちくばー1223  

Re: あかんわ~

Ancellaさん、いつもコメントありがとうございます。
ネコちゃんのリーディングもなさってるんですか? 素晴らしい!
そうなんですね、動物って裏切らないし、無償の愛を捧げてくれますよね。
わたしも、うちのネコに癒されてます。

2014/08/10 (Sun) 12:53 | EDIT | REPLY |   

Ancella  

あかんわ~

あかんわ~。
これ読んだだけで、涙腺が…(T_T)

本を読んだら、きっと、涙腺崩壊です。

ちょうど最近、ペットのネコちゃんのリーディングの依頼を受けて、ほんとに、ここに書いてあるように、飼い主への無償の愛を感じました。

いつも楽しみに拝見させていただいてます(^^)

2014/08/10 (Sun) 12:01 | EDIT | REPLY |   

ぴーちくばー1223  

Re: はじめまして

アロエさま、そう言ってくださるととても嬉しいです。
自分のために書き留めておこうと始めたのですが、共感してくださる方がいると励みになります。
また、いつでも遊びに来てくださいね。

2014/08/05 (Tue) 12:08 | EDIT | REPLY |   

アロエ  

はじめまして

はじめまして。

直感や思考や、本能について知りたくてネット検索していましたら、このブログに辿り着けました!
スピリチュアルは、目には見えないですが、私達は目には見えないものにとても影響されるんですよね。。
私は、英語は読めないので、ぴーちくばー1223さんがこうやって、ネット配信して下さり、とても嬉しいですし、新しい知識を得ることができています。
ありがとうございます!

2014/08/04 (Mon) 21:46 | EDIT | REPLY |   

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