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2014  08:32:22

相手に敬意を持って接するハートインテリジェンスを育てたい!

原書:Inner Peace for Busy People: 52 Simple Strategies for Transforming Your Life

また、この書の感想とサマリに戻りますね。

Heart Intelligence(ハートインテリジェンス)という言葉、ご存知でしょうか? 

「心の知性」という言葉、検索するとあるんですね。何となく"Emotional Intelligence(EQ)"と同義語のように扱われているようなのですが、少し違います。

EQの方は他人の感情を理解できる能力のことですが、ハートインテリジェンスの方はHQで、知性(Mental Intelligence)とEQを統合することができるもっと上のレベルのようです。気づきのレベルが高くなるので、もっと愛深く、許容力が大きくなり、その高次のレベルから行動したり反応したりできます。

ということで、本書の著者は、ダライ・ラマ14世にインタビューをしたときのことを取り上げていました。英語では、ダライ・ラマのことを尊敬して"His Holiness"なんて言うのですが、日本語ではそういう尊称は付けないのでしょうか。検索したけど、分かりませんでした。

それはとにかく、著者は、そんな畏れ多い人をインタビューするというのでかなり緊張していました。博学なダライ・ラマに医学と科学について仏教の見識を質問するようになっていたそうです。だから、バカなことを聞いたらどうしよう、無礼なことを言ったりしたりしたらどうしようと心配していたのです。

ところが、そんな恐れはダライ・ラマが部屋に入って来られた途端に消えてしまいました。ダライ・ラマの優しい眼差しや1000ワットのスマイルに接して、何でも受け入れてくれるオーラに包まれ、すっかり気が落になったということです。ダライ・ラマはハートインテリジェンスの高いお方なんですね。

そういう体験があってから、コロラド州のボールダーに戻り、モールを歩いていたときのこと。髭面でみすぼらしい恰好の男が近づいてきました。何か仕事すればよいのにといった批判が心をよぎります。そのとき、ダライ・ラマが初対面の自分にいかに敬意を払ってくれたかを思い出し、いつものように用事をすませようと足早に立ち去る代わりに、その男性に話しかけてみることにしました。

ジョンという名前の彼は、ベトナム戦争の帰還兵だったのです。彼が戦争に行ったのは、母国を守ろうと理想に燃えていた18歳のとき。ところが、彼が属していた隊の兵士のほとんどが攻撃を受けて命を落としました。今にも息を引き取ろうとする親友の頭を抱え涙した話を聞きました。

長い沈黙がありました。セラピストの著者は、そんな理不尽な体験から回復するのがいかに難しいかをよく知っています。こうした心的外傷後ストレスの患者は、頭の中で、何度も痛ましい過去を再プレイして生気を枯渇させてしまいます。ジョンは治療を受けたり受けなかったりで、結局、回復できなかったことを知りました。

ベンチに座って沈黙のまま手を握り、互いの目を覗き込む。何と言ってよいのか分からない。ただ、"I'm so sorry. So very sorry"としか言えない。二つの心が通い合った瞬間です。相手に敬意を払った瞬間なんですね。

著者は"I don't pity John."と言っています。自分も人生でそれなりに苦痛を味わってきたけど、Johnの苦痛に比べたら大したものではない。でも、Johnを可哀想に思うのではなく、謙虚になって相手を尊重し敬意を表しています。

Stephen Levineという人の言葉を引用していました。

Pity is when you fear touches another person's suffering, but compassion is when your love touches another person's suffering. Pity leaves you raw and empty. Compassion leaves you full and peaceful.

自分の恐れが相手の苦痛に接するとき哀れみになるというのは知りませんでした。わたしの勝手な解釈で、相手の立場になりたくないという恐れが相手と自分に距離を置く、つまり上からの目線で相手を見るので哀れみになるのかと思います。同情される方の側になって考えてみると、可哀想に思われるのは見下されているようであまりいい気はしないですものね。

自分の愛が相手の苦痛に接するとき慈悲となります。なるほどですね。そして、哀れみは粗野で空虚の感を残すが、慈悲は満たされた平和な気持ちにさせるということでしょうか。

苦しんでいる人の身の上話をいちいち聞いてあげる必要はないけど、どんな人でも、自分の過去や環境の中で、できる限りの勇気を持って人生に直面しベストを尽くしていることを思えば、親切に敬意を払って接するのが人道で、それがハートインテリジェンスを育てることになると筆者は説いています。

ともすると、相手の育った環境や歴史を知らないで、すぐに批判してしまうけど、誰でもみんなそれぞれの立場でベストを尽くしているんですよね。とくに日々の生活に追われていると、相手を尊重することがおざなりになりがちなので気をつけたいと思いました。
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