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2014  06:29:54

「二言はない」よりも「君子豹変」の方がパワフルなわけ

Mystic Secrets Revealed: 53 Keys to Spiritual Growth and Personal Development


前の続きで読み進めていますが、"I changed my mind"というのが最もパワフルな言葉だというくだりで最初はエッ?と思いました。日本語訳だと「考え直した」「気が変わった」ですよね。それがどうしてパワフルなのだろうと。

特に日本では、「武士に二言はない」とか「一度決めたら二度とは変えぬ」なんて歌にもあるぐらいですから、一度決心したことは最後まで貫くのが美徳とされているように思います。でもこれは自分を縛る言葉なんですよね。言ったことを翻せないということはそれだけで自由が奪われてしまうということ。

それで面白い例が載っていました。セールスマンがまずこう聞きます。

"Are you in a position to make a decision today?"

日本のセールスマンはこんなこと聞かないかもしれませんけど、「お客様、もうお決めになる準備ができておいでで?」みたいな感じでしょうか。それで「そうだ」と答えたら最後、もう少し考えたいなと思っても買わなければいけない気持ちにさせられるというわけです。だって、イエスといった手前、買わなければ優柔不断な人と見られてしまう恐れがあるから。エゴですね。

でも「考え直す」というのはそんな意味ではなくて、熟考し、さらに情報を集めた結果、別の結論に達したということなんです。こちらの方が前よりも理にかなったベターな結論だということです。

さらに、いつでもベターのものが現れたら心を変えてもいいということを自分に許していないと、一つの結論を掴んだまま放さないという停滞した状態を作り上げることになります。これだと進化がないわけです。歴史的に見ても、太陽が地球の周りを回っているという信念にしがみついていたら、その後の発展がない。

またこういう態度は、事実をねじ曲げることもやってのける危険性をはらんでいます。人間には同時に二つの相容れない信念を持つと不快を感じるので、一方を他方に合わせるように変更してしまう傾向があるそうです。これを心理学用語で「認知的不協和」といいます。

ほんの些細なことでもそうなんです。あそこのレストランはいいという意見を自分が発していて、そのあとでそれと矛盾することが出てきたら自分の信頼性が崩れる恐れがあるので、聞かなかったことにしたり。

こうことって無意識のうちにやってしまうみたいですよ。以前の記事「自己正当化」の方を見てください。誰でも、自分が間違っていたということを認めたくないからです。だから、新しいアイデアを無視したり、怒り出して反論したり。これは人間行動の一つです。

でも神秘主義は真理を追求することですから、前のアイデアよりも新しい方がより真理に近く理にかなっていたり、役に立つのであれば、潔く「考え直した」と言います。それよりも素晴らしいのが"I was wrong"、「間違っていた」と言えることです。こうした謙虚な態度は真実を求めるのに必要ですから、神秘主義では美徳とされているようです。

「考え直した」とか「間違っていた」という言葉を発することができると、「認知的不協和」が解消されて自分を正当化することに無駄なエネルギーを使うことがないから、もっと伸びやかに大きく成長していけます。だから、「賢者は考えを変えるが、愚者は決して変えない」とか「君子豹変す」という格言があるんですね。

もっと自由でいたいなら、「考え直した」とか「間違っていた」と抵抗なく言えるようにしたいです。

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