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2012  13:53:24

アレクサンドリア

ここでまたつい最近読んだ本を紹介しますね。これもKindle版を購入すると$1.99です。前に紹介したThe First Rule of Tenと同じく、著者の処女作ということで、このお値段なのでしょう。左のリンクがKindle版です。

本書は、アレクサンドリア図書館の火災を背景に、美しいユダヤ人羊飼いのHannahを主人公にしたドラマです。女性哲学者のヒュパティアや総司教キュリロスといった歴史的人物も登場し、キュリロスが行った異教徒追放やキリスト教集団による迫害など、読者はアレクサンドリアの一市民になったような感じで事件に振り回されることになります。

シナイ山で羊飼いだったHannahは、奴隷商人に拉致されてアレクサンドリアにやって来ます。Alizarという市の有力なワイン業者のもとで働くことになります。Hannahは正義感が強く、向こうみずなところがあって、芯のしっかりした優しい女性です。魅力的なのでロマンスもありますが、美しいためにかえってとても悲しい思いをすることもあるんです。

わたしはAlizarという人物のオープンマインドで、どんなことが起きても受け止めることのできる度量の大きさに惹かれました。決しておごらず、本当の意味で強い人です。その対極にあるのが、キュリロスですかね。自分の権威を拡大することにしか興味がなく、神の名で人々を迫害し、狭い心の持ち主という感じがしました。

美しくて優しく、知的なヒュパティアが惨殺されるというのは歴史的事実で、とても悲しいことです。本書を読むまで知らなかった人ですが、『Agora』という映画で、レイチェル・ワイズが演じているんですね。日本名は『アレクサンドリア』です。まだ見てないのですが、悲しいエンディングだからどうしようかなと思っています。

Hannahは、アレクサンドリア図書館の火災を前後に、愛した人たちを失います。ヒュパティアもその一人です。でも、アレクサンドリアを離れる前に、恨みや後悔といった感情を家族の遺灰と共に海に流し、過去の出来事を乗り越え、勇気を持って生きようという決心するところが印象に残りました。

Lolcats: "Mom!"
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